「子供達が大きくなったら北海道でキャンプをしよう」
これが長年の夫の口癖でしたが、3女も大きくなったこの夏、ついに夢を実現することができました。
ありきたりの感想のようですが、
北海道は空気がきれいで水がびっくりする程冷たくて美味しい。
一昔前だったら当たり前のことが、
今私たちの住んでいる場所ではかけがえの無いこととなってしまいました。
我が家の子供達も「北海道はいいな。ずっといたいな。また来たいな」と帰るのが惜しいほどでしたが、その美しさは小さい心にも圧倒的なものがあったのだと思います。
一日中外で遊んだり、わき水を両の手ですくって飲む。
そうするたびに、そうできない福島の人々の胸の苦しさは如何ばかりか、と思いやられます。
最初の三泊四日は達古武オートキャンプ場で過し、その後は知床自然遺産への玄関口、斜里町にある知床ヴィラホテルFreezeへ移動しました。このホテルを一から自らの手で建設したオーナーと奥様が大層素敵で、ここまで至った経緯ですとか、夫と根掘り葉掘り色々と聞いてしまいました。
斜里岳を望むヴィラのテラスで海と山の幸に舌鼓を打ちながら、この幸せをどうにか他の子供達と分け合う方法はないものだろうか、と子供達に問いかけてみると、長女が『私の貯金から3000円下ろしてシリアの子供達に寄付したい』と言ってくれました。ならば次女は2000円かな?と訪ねてみると「500円だ」と言う。ちょっとお姉ちゃんと比べて少ないなーと思いよくよく聞いてみると、500円の方が大きい数字だと思っていたそう(笑)。 自動的に4歳の三女からは1000円を頂き、国連UNHCR協会経由で寄付することに決定しました。
昔は木に果物が熟れば全部とらず、必ず鳥や他の動物の分、といって残したそうです。
我が家にもレモン、ゆず、やっと2、3個実を付け始めた実生の柿の木がありますが、どれもそうたわわになるわけでもなく、こんな会話を時々しながら、子供達にも分け合う心を伝えていきたいと思っています。
追伸 9月12日
今日子供の小学校で絵本を読み聞かせしてきました。
「アイヌとキツネ」萱野茂 小峰書店
シャケを独り占めをしたアイヌに対して、涙ながらに談判するキツネの話です。力強い絵とともに、アイヌの口承昔話が内包する、自然との共生が描かれた素晴らしい絵本です。
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